RWAに使うブロックチェーンの選び方|点数表の前に決める失格条件と撤退基準
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ある金融機関で、社債のトークン化に使うブロックチェーンを選ぶ会議が開かれました。机に出てきたのは、候補チェーンを点数で比べた評価表です。性能が40点、費用が20点、開発のしやすさが…と足し合わせ、処理の速い候補が1位になっていました。
ところが、その1位の候補は、発行とアップグレードの鍵を1人で管理する作りでした。誤った取引を訂正する手段もありません。点数を足すと、こうした致命的な弱点が、処理の速さ(TPS)で帳消しになってしまうのです。
規制の対象になる資産では、選び方の順番を変えます。まず「1つでも当てはまれば採用しない」条件を決めます。見るのは次の6点です。
- 権利の正式な記録(正本)はどこにあるか、誰が参加できるか
- 誰に何が見えるか、いつ取引が確定するか
- 誰が管理の権限を持つか、障害からどう戻すか
そのうえで、残った候補を実際に動かし、わざと障害を起こして確かめます。採用するときには、やめるときの条件まで決めておきます。以下では、金融機関やRWA事業者のCTO・アーキテクトが、この順で選定を進める手順を見ていきます。
ブロックチェーンの種類そのものの違いはブロックチェーンの種類を比較|企業に適した選び方で、RWAの基礎はRWAトークン化の解説で扱っています。
この記事でわかること
- チェーンの種類を見る前に答えておく6つの問いと、形態ごとの向き不向き
- 1件でも当たれば落とす失格条件と、PoCでわざと壊して確かめること
- 3年分の総費用の見積もり方と、採用時に決めておく撤退の条件
この記事で使う言葉
- 電子記録移転有価証券表示権利等:ブロックチェーンなどで移転する有価証券(いわゆるST)の、法律上の呼び名
- 受益権原簿:信託の受益権を誰が持っているかを記録する帳簿
- 許可型/許可不要:参加できる組織を限るネットワークと、誰でも参加できるネットワーク
- ファイナリティ:チェーン上の取引が、もう覆らないと見なせる状態
- reorg(チェーン再編成):いったん確定したように見えたブロックが、別のブロックに置き換わること
チェーンの種類を見る前に、6つの問いに答えを出しておく
「RWA」は、不動産、社債、受益権、債権、環境価値などを含む広い呼び名です。同じネットワークでも、必要な統制は変わります。トークンが法的な権利の正本なのか、原簿を参照して表示しているだけなのか、で違うからです。
日本のST(セキュリティトークン)では、ブロックチェーン上の投資家情報と受益権原簿を連動させて、保有者を管理する構成があります(日本銀行デジタル通貨フォーラム資料)。個別の商品で何を法的な正本にするかは、契約・法域・制度にもとづいて決まります。
チェーンを比べる前に、次の6つに答えを出します。
- 権利:トークンの残高は何を表すか。発行・移転・償還・訂正を、どの記録が確定させるか。
- 参加者:検証ノード、コントラクトを配置する担当、投資家のウォレット、カストディアン、閲覧者を、誰が承認し、誰が取り消せるか。
- データ:残高・取引・属性をどこまで公開するか。個人情報をどこに保存し、監督・監査のときにどう開示するか。
- 確定:チェーン上の確定(ファイナリティ)、業務の承認、資金の決済、原簿への反映を、どの順で終えたら完了とするか。
- 権限:発行(mint)、焼却(burn)、凍結(freeze)、強制移転(forced transfer)、アップグレード、ノードの追加、障害時の訂正を、誰が承認するか。
- 続けられるか:ネットワークの停止、RPC(ノードとの通信)の障害、reorg、鍵の侵害、運営者の離脱から、何時間で、どこまで戻せるか。
BISは、トークン化の仕組みを2つの層に分けています。資産と所有権を扱う中核の層と、ルールや統治を扱うサービスの層です(BIS Bulletin 72)。チェーンを選んでも、権利、決済、本人確認、資産の保管、例外の処理の責任が、自動で1つにまとまるわけではありません。6つの項目それぞれに、要件の番号、責任者、根拠、受け入れの試験を付けます。
公開型・コンソーシアム型・単一運営型は「誰を信じる前提か」で比べる
3つの形態は、向いている場面と、先に確かめるべき危険が違います。
- パブリック(許可不要):独立した検証や、既存のウォレット・ツール・流動性とつながりたい場合に向く。先に確かめる危険は、個人・取引情報を推測されること、ガス代の変動、reorg、プロトコルの変更、取引の検閲への対応。
- コンソーシアム(許可型):複数の組織で共同運営し、参加者が分かっていて、業務の要件に沿った秘匿が要る場合に向く。先に確かめる危険は、メンバーの離脱、合意に必要な数、責任の分担、アップグレードの合意、閉じたネットワークへの依存。
- 単一運営(許可型):既存の業務とつなぎやすく、容量や変更の窓口を見通しやすい。先に確かめる危険は、一か所が止まる・支配されること、外から確かめにくいこと、特定ベンダーへの依存、運営者が破綻したときに続けられるか。
参加・検証・データの見え方・変更の統治まで並べた比較表は、後半の「実装する人向けの詳細」にあります。
「許可」の範囲は、2段に分けて考えます。ネットワークに参加できる組織を限ることと、資産を持ったり移したりできるウォレットを限ることは、別の話です。
たとえばERC-3643は、許可された人だけが持てるトークンの規格です。パブリックなネットワークの上でも、Identity Registry(本人情報の登録簿)とComplianceで、受け取る人の資格と移転のルールを判定できます(ERC-3643 Final仕様、実装の詳細はERC-3643の許可型トークン設計)。反対に、許可型のネットワークでも、ノードの参加資格だけでは表せないものがあります。資産ごとの販売できる国、保有の上限、売れない期間(ロックアップ)です。
Hyperledger Fabricは、身元(identity)とポリシーにもとづく許可型のネットワークです。チャネル(参加者の一部だけで台帳を共有する仕組み)などで、データを共有する範囲を設計します(Hyperledger Fabric Identity公式Docs)。Cordaでは、notary(公証ノード)が、同じ状態を二重に使うことを防ぐ役目を担います(R3 Corda Notaries Docs)。比べるのは名前ではありません。採用するバージョンの実装と運用する人が、要件を満たす証拠です。
国内外のRWAで使われている基盤の例(2026年9月24日時点)
候補を自社に当てはめて考えやすいよう、形態ごとの実例を挙げます。どれも特定のチェーンをすすめるものではありません。後で述べる失格条件と試験で、同じように評価する対象です。
- パブリック:BlackRockのトークン化MMF「BUIDL」は、Ethereumで始まり、Arbitrum、Avalanche、Optimism、Polygon、Solana、Aptosなどへ広がっています(Securitize)。
- パブリック上の専用チェーン:国内STの基盤Progmatは、Corda 5からAvalancheの専用L1へ、既存のSTを全件移したと2026年7月に報じられました(Japan FinTech Observer)。
- コンソーシアム:BOOSTRYの「ibet for Fin」は、参加する金融機関が共同で運営するコンソーシアム型の基盤です。社債や不動産などのSTに使われています(ibet for Fin)。
- 秘匿性を重んじた許可型のネットワーク:Canton Networkは、取引の当事者だけが該当する部分を見られる設計です。金融機関のトークン化資産や担保の移転に使われています(Canton Protocol)。
国内のEthereum互換チェーンはJapan Open Chain徹底解説、許可型の実行環境を持つL2はzkSync Prividium徹底解説で個別に扱っています。
点数を付ける前に、1件でも当たれば落とす条件を置く
冒頭の評価表のように、性能を40点、費用を20点と足し合わせると、秘密鍵の単独管理や訂正できないことを、高いTPSで打ち消せてしまいます。規制の対象になる資産では、まず譲れない点を合格か不合格かで判定します。合格した候補だけを、費用・開発のしやすさ・周辺ツールの充実度で順位付けします。
確かめる点ごとの失格条件と、PoCでの確かめ方は次のとおりです。
| 確かめる点 | 失格条件の例 | PoCでの確かめ方 |
|---|---|---|
| 権利・原簿 | チェーン上の確定と、法的・業務上の確定の食い違いを、見つけて切り分けられない | 片側だけの成功、二重送信、取り消せなくなる時点をわざと起こす |
| 参加者・資格 | 資格を失った検証者、運用者、ウォレットが、権限を使い続ける | 資格の失効と、処理中の取引をぶつける |
| 秘匿性 | 個人・保有・取引の情報を、想定外の相手が復元できる | ノード、RPC、インデクサー、バックアップから観測してみる |
| 確定性 | 業務上の取り消せなくなる時点を決められず、reorgの後に二重の権利が残る | reorg、公証ノード・検証者の停止、遅れを起こす |
| 特権・変更 | 1つの鍵で発行とアップグレードをすぐ実行でき、それに気づけず止められない | 鍵の侵害、誤ったアップグレード、権限の移し替えを演習する |
| 続けられるか・やめられるか | 運営者・ベンダーが離れたとき、状態と記録を移せない | 新しい書き込みを止め、読み取り専用にし、スナップショットから戻す |
候補に求める証拠(データの持ち方、権限表、手順書など)は、後半にまとめました。
金融庁の監督指針は、電子記録移転有価証券表示権利等に使うネットワークのリスクについて、続けて審査する観点を示しています。必要に応じて専門家の検証を経る、などです(金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針 IV-3-7)。採用のときに1回だけ監査報告を出すのでは足りません。変更の後も同じ要件を確かめられる証拠を、出し続ける仕組みが必要です。
「確定」は秒数ではなく、権利・資金・原簿が取り消せなくなる時点で決める
ブロックが作られる間隔、承認の回数、ファイナリティ、業務の完了は、同じ意味ではありません。
Ethereum PoSでは、区切りのブロック(チェックポイント)がjustified(仮の合意)を経てfinalized(確定)になります。finalizedのブロックを覆すには、大きな経済的な罰を伴う条件があります(ethereum.org PoS Docs)。許可型のネットワークでも、公証ノードや順序付けのサービスが返した「成功」と、原簿の更新・資金の決済・顧客への通知の完了は、分けて扱います。
そこで取引ごとに業務の番号を付け、次のものを結び付けます。チェーン上のトランザクションハッシュ、ブロックか公証ノードの記録、使ったポリシーの版、原簿の記録、決済の指図、承認の記録です。
取引の状態は、少なくとも次の流れで区別します。
受付 → チェーンで受理 → チェーン上で確定 → 原簿に記帳 → 資金を決済 → 完了(例外は保留)
通信が途中で切れても、新しい番号で送り直してはいけません。同じ番号で、今どこまで進んでいるかを照会します。状態の英語名は後半に載せました。
証券と資金を同時に扱う場合も、同じチェーンに置くだけでDvP(証券と資金を同時に受け渡すこと)が完成するわけではありません。証券側と資金側のそれぞれの確定、失敗したときの埋め合わせの処理、締めの時刻を合わせます。具体的な状態の移り方はトークン化証券のアトミックDvP設計で補足しています。
プライバシーは「誰が、何を、いつ読めるか」で試す
トークンを持てる人を許可リストで限っても、公開された残高、時刻、相手、ガス代を払った人から、取引の関係を推測できる場合があります。反対に、プライベートなネットワークでも、全ノードが平文を持ち、運用者がバックアップを見られるなら、機密はあまり守られていません。「公開か非公開か」の二択では、こうした漏れ方をとらえられないのです。
秘匿の要件は、「誰が」「どの項目を」「いつ」「どの細かさで」読めるかに分けて決めます。
- 投資家・実質的な保有者の身元と、ウォレットのひも付け
- 残高、価格、数量、相手、時刻、資産の種類
- 検証ノード、RPC事業者、インデクサー、カストディアン、監査人からの見え方
- ふだん、障害の調査のとき、規制当局・監査への対応のとき、保存期限の後の開示
ゼロ知識証明(ZK)や完全準同型暗号(FHE、暗号化したまま計算できる方式)を使っても、残る課題があります。入力するときの本人確認、鍵の管理、メタデータ、失効、障害時の開示です。方式ごとに誰を信じる前提かはオンチェーン金融のプライバシー設計で整理しています。
PoCでは、わざと壊しても守られるべきことが守られるかで合否を決める
PoCの目的は、デモを動かすことではありません。候補の基盤が失格条件に当たらないという証拠を、早く得ることです。候補ごとに同じ資産、参加者、ポリシー、取引量を使い、次の試験を自動で回します。
- 権利が保たれるか:発行・移転・償還・強制移転の後も、トークンの残高、原簿、保管、資金の対応が1つに決まる。
- 二重に処理しないか:APIのタイムアウト、呼び出し側の送り直し、出来事の取り直しがあっても、同じ業務の番号から二重に発行・記帳しない。
- 確定の障害:reorg、検証者・公証ノード・順序付けサービスの停止、ネットワークの分断、遅れの後も、確定していないものを完了扱いしない。
- 資格の変更:ウォレット、運用者、ノードの失効と取引をぶつけ、禁止した取引を断るか、保留の勘定(SUSPENSE)に切り分ける。
- 秘匿性:ノード、RPC、インデクサー、ログ、バックアップ、分析ツールから、禁止した項目を復元できない。
- 特権の侵害:発行、一時停止、アップグレード、メンバー追加の鍵を1つずつ侵害させ、被害が及ぶ範囲と気づくまでの時間を測る。
- 復旧:スナップショット、出来事、原簿から新しい環境へ戻し、RPO(許せるデータの損失)とRTO(復旧にかかる時間)を実際に測る。
- 容量:平均だけでなく、ピーク、一括処理、月末、やり直しを流し、p95/p99の遅れ(遅いほうから5%・1%の境目)、失敗率、たまった処理がはけるまでの時間を測る。
結果には、あとから同じ判断を確かめられる情報を残します。要件の番号、試験データ、ソフトウェア・コントラクトのコミット、ネットワークの設定、時刻、トランザクションID、期待した値、実際の値、判定した人です。
BIS/CPMIは、トークン化について、統治、法的な不確かさ、運用・サイバーのリスク、相互運用性などを横断して検討しています(CPMI「Tokenisation in the context of money and other assets」)。性能のベンチマークだけでは、選定の証拠になりません。
総費用には、チェーンの手数料以外の運用の責任も入れる
公開型なら、検証ノードを自分で動かさなくても、やることがあります。RPCの冗長化、ガス代の調達、プロトコルの変更の追跡、インデクサー、MEV(取引の並べ替えで利益を得る行為)・取引の検閲の監視です。許可型なら、ガス代が固定か不要でも、参加する組織でノード、証明書、メンバーの管理、合意形成、アップグレード、災害復旧の環境を保ちます。
少なくとも3年の想定で、次のものを見積もります。
- 発行・移転・償還のふだんの量、ピーク、やり直しに要るトランザクション費用
- RPC・ノード、インデクサー、鍵の管理、監視、SIEM(ログを集めて異常を見つける仕組み)、バックアップ、災害復旧の固定費
- プロトコル・コントラクトのアップグレード、監査、脆弱性への対応、メンバー変更の人件費
- 障害時の手作業、突き合わせ、顧客対応、規制・監査への報告の費用
- ベンダー・コンソーシアムからの退出、データの書き出し、コントラクトの配置し直し、ウォレットの移行の費用
パブリックのリスクに挙げたとおり、ガス代は変動します。そのため、特定のチェーンの今の手数料を、固定の値として採用の理由にはできません。基本・ピーク・ストレスの3つの想定で、単価、数量、為替、復旧の作業時間を変えてみます。どの前提で順位が入れ替わるかを確かめます。
採用するときに、やめる条件と移せるかどうかまで決めておく
運用中の基盤を別のチェーンに移す判断は、実際に起きています。前に挙げたProgmatの例です。移すには、身元の情報や資産の目録を書き出せる形、止める順番、記録の残し方が要ります。いざ移すと決めてから用意し始めると、そのあいだも古い基盤を使い続けることになります。ですから「将来必要なら移す」では遅すぎます。
採用のときに、撤退の条件を決め、その基準値と測り方も決めておきます。条件の例は、停止時間、確定の悪化、検証者の集中、重大な脆弱性、プロトコルの変更、手数料、ベンダーのサービス水準、メンバーの数、監査での指摘です。移すための準備は、次のとおりです。
| 準備 | 採用時に決めておくこと | 定期的な演習 |
|---|---|---|
| 持ち運べる身元の情報 | 主体のID、ウォレットのひも付け、資格の証明、失効の履歴を書き出す形式 | 別の環境で資格の判定を組み立て直す |
| 資産の目録 | 権利の版、供給量、コントラクト、権限、原簿との対応 | スナップショット時点の供給量・保有者を突き合わせる |
| 止める順番 | 新規発行、移転の受付、決済、償還を止める順序 | 読み取り専用にし、処理中の取引を片付ける |
| 発行し直し・移行 | 古い残高の凍結・焼却・請求と、新しい残高を有効にする条件 | 少額の資産で予行演習する |
| 記録の保持 | 古いチェーン・ノードを止めた後も要る、トランザクション、署名、原簿、監査ログ | 監査の質問から記録を復元してみる |
複数のチェーンにいつも展開する場合は、移す準備とは別に、供給量、身元の情報、メッセージの確定を統制します。詳しくはトークン化資産のマルチチェーン相互運用設計を、ブリッジそのものの設計はクロスチェーンブリッジの開発・設計をご覧ください。
選定の成果物は「おすすめのチェーン名」ではなく、たどれる判断の根拠一式
最後にまとめるものは、次のとおりです。
- 要件と責任の分け方、候補ごとの失格条件、想定する攻撃、データの流れ
- 権限表、確定の方針、PoCの結果
- 総費用の前提、障害対応の手順書、撤退の条件
1つひとつの結論を、要件の番号と証拠にたどれるようにしておきます。そうすれば、プロトコル、法令、業務の量が変わったとき、選定を全部やり直さずに、影響する部分だけを評価し直せます。
実装する人向けの詳細
ここからは、評価と試験を実際に組むアーキテクト向けに、前半で後回しにした表と状態名をまとめます。
形態ごとの比較表
| 形態 | 参加・検証 | データ可視性 | 変更統治 | 主な利点 | 先に検証するリスク |
|---|---|---|---|---|---|
| パブリック(許可不要) | 原則誰でも検証・送信。資産側で保有・移転を制限 | 取引・状態は広く観測可能。秘匿化は別設計 | プロトコルの統治と資産の管理が分離 | 独立した検証、既存のウォレット・ツール・流動性との接続 | 個人・取引情報の推測、ガス代の変動、reorg、プロトコル変更、取引検閲への対応 |
| コンソーシアム(許可型) | 複数組織がノード・参加者を承認 | メンバー、チャネル、取引単位で制御可能 | コンソーシアム契約と技術ポリシー | 共同運営、既知の参加者、業務要件に沿った秘匿性 | メンバー離脱、定足数、責任分担、アップグレードの合意、閉域への依存 |
| 単一運営(許可型) | 一組織または委託先が承認 | 運営者が閲覧範囲を制御 | 運営主体が変更を統制 | 既存業務との統合、予測しやすい容量・変更窓口 | 単一障害点・支配点、外部からの検証性、特定ベンダーへの依存、運営者破綻時の継続 |
失格条件ごとに候補へ求める証拠
| 関門 | 要求する証拠 |
|---|---|
| 権利・原簿 | データモデル、状態遷移、訂正手順、責任分界 |
| 参加者・資格 | 参加・離脱の手順、証明書・クレデンシャルの失効、反映までの目標時間 |
| 秘匿性 | データの流れ、脅威モデル、鍵・開示手順、保存期間 |
| 確定性 | ファイナリティの仕様、承認回数の方針、例外時の手順書 |
| 特権・変更 | 権限表、マルチシグ・タイムロック、イベント監視、鍵生成の立会い手順 |
| 継続・退出 | 書き出し形式、ソースコードとビルド手順、バックアップ、契約、移行の目標復旧時間 |
取引の状態名
各取引へbusiness_transaction_idを付け、状態は少なくともREQUESTED、CHAIN_ACCEPTED、CHAIN_FINAL、LEDGER_POSTED、CASH_SETTLED、COMPLETED、SUSPENSEを区別します。タイムアウト後は新しいIDで再送せず、同じIDの現在地を照会します。
XTELAができること
私たちは、規制対象資産のブロックチェーン選定で、要件と失格条件の整理、候補ごとのアーキテクチャ案、障害注入を含むPoC、監視・照合・移行の設計と開発を行います。候補チェーンを同じ試験で並べ、貴社が採否を決めるための証拠一式を作るところまで担います。法的な判断が必要な論点は弁護士と連携して進めます。選定の進め方はお問い合わせから相談できます。
主要参考資料
- 金融庁「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針 IV-3-7」(2026年8月12日確認)
- 日本銀行デジタル通貨フォーラム「セキュリティ・トークン(ST)とCBDCについて」
- CPMI「Tokenisation in the context of money and other assets」
- BIS Bulletin 72「The tokenisation continuum」
- ethereum.org「Proof-of-stake」
- Hyperledger Fabric「Identity」
- R3 Corda「Notaries」
- Ethereum ERC-3643 Final仕様
- Securitize「BlackRock BUIDL」(2026年9月24日確認)
- BOOSTRY「ibet for Fin コンソーシアム」(2026年9月24日確認)
- Canton Network「Canton: A privacy-enabled blockchain protocol」(2026年9月24日確認)
- Japan FinTech Observer「Progmat Completes Avalanche Migration」(2026年7月13日)
資料の確認日と注意
法令・監督資料と技術仕様は2026年8月12日に、国内外の基盤の採用例は2026年9月24日に確認しました。一般的な技術情報です。法令・監督指針・プロトコル・手数料は更新されるので、採用するときは、対象の資産・法域・バージョンの一次資料と契約を、専門家とあわせて確かめてください。