アカウントアブストラクションの規制該当性|AAウォレットは暗号資産交換業(カストディ業務)に当たるか
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アカウントアブストラクション(Account Abstraction:アカウントの検証・実行ロジックをスマートコントラクトへ移す技術群。以下AA)を組み込んだサービスでも、事業者がユーザーの暗号資産を単独または委託先と共同で移転できる秘密鍵を保有せず、「主体的に利用者の暗号資産の移転を行い得る状態」になければ、資金決済法の「他人のために暗号資産の管理」(いわゆるカストディ業務)には原則該当せず、暗号資産交換業の登録は不要です(金融庁事務ガイドライン第三分冊16、資金決済法第2条第15項第4号)。実際に、パスキー(顔・指紋などの生体認証を使うFIDO2ベースの認証鍵)でユーザー自身が秘密鍵を管理するウォレット構成については、2024年10月8日にグレーゾーン解消制度を通じて「暗号資産の管理に該当しない」との金融庁回答が出ています(PwC Legal Japan News)。
ただしAAでは、この判断の前提である「秘密鍵を持っているか」が単純な二択ではなくなります。スマートアカウントは署名権限をOwner Key・Session Key・Validatorモジュールなどへ分解できるため、該当性は「事業者がどの署名権限をどこまで持つか」という設計の問題に変わるからです。さらに2026年は制度の移行期にあたります。2026年6月1日に改正資金決済法が施行されて「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」が新設され(金融庁)、同年7月15日には暗号資産規制を資金決済法から金融商品取引法(以下、金商法)へ移管する改正法が成立しました(施行日は原則、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日です。金融庁 法律案要綱)。本記事は、カストディ該当性の現行基準、AA固有の署名権限の論点、Account・Bundler・Paymaster各層の規制接点、制度移行のタイムライン、弁護士相談の前に技術側で文書化すべき項目を、2026年8月時点の一次情報に基づいて整理します。該当性の最終判断は個別の設計・契約・実装に依存する法的判断であり、本記事は技術設計上の論点整理です。AA自体の技術的な全体像はAA完全マップ2026で扱っています。
登録要否を分ける現行基準 — 「移転に足りる秘密鍵を保有し、主体的に移転できる状態」か
資金決済法は、「他人のために暗号資産の管理をすること」を業として行う行為を暗号資産交換業の対象行為として定義しています(第2条第15項第4号)。2019年改正(2020年5月施行)で追加された類型で、売買や交換を伴わなくても、ユーザーの暗号資産を預かる行為単体で登録対象になります(登録は第63条の2)。無登録で暗号資産交換業を行った場合の罰則は、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科です(同法第107条第12号。2025年の刑法改正施行により現行法の法定刑は「懲役」ではなく「拘禁刑」です)。
「管理」に当たるかどうかの解釈は、金融庁の事務ガイドラインが基準を示しています。事業者が利用者の暗号資産を移転するのに足りる秘密鍵を保有し、主体的に利用者の暗号資産の移転を行い得る状態にある場合に該当する、という整理です。逆に、該当しない例として次の2類型が明示されています(事務ガイドライン第三分冊16)。
- 事業者が秘密鍵の一部を保有するにとどまり、事業者の保有分だけでは、単独でも関係事業者と共同でも利用者の暗号資産を移転できない場合
- 移転に足りる秘密鍵を保有しているが、その秘密鍵が暗号化されており、復号に必要な情報を事業者が保有していない場合
重要なのは、この判断が構成の名称ではなく実質で行われることです。「マルチシグだから預かりではない」「MPC(Multi-Party Computation:秘密鍵を複数の断片に分けて分散管理する技術)だから非該当」と機械的には言えず、事業者側の保有分だけで移転の閾値に達するかどうかが問われます。MPC構成でサーバー側シェアを事業者が持つ場合の考え方はMPC×AAの解説で扱っています。
非該当設計には公式の先例があります。2024年10月8日、一般社団法人ジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ(JCBI)の照会に対し、金融庁は、パスキー認証を用いてユーザー自身が秘密鍵を管理するウォレット開発支援サービス(PassWallet)の提供が「他人のために暗号資産の管理をすること」に該当しないことを、グレーゾーン解消制度(産業競争力強化法に基づき、新事業の規制該当性を事業所管省庁経由で規制当局に確認できる制度。経済産業省)を通じて確認しました。カストディ該当性についてこの制度で金融庁回答が出た初の事例で、事業者が鍵を持たないアンホステッド型(自己管理型)の設計が公式に確認されたという意味で、AAを含むウォレット設計の重要な参照点です(PwC Legal Japan News、2024年10月28日)。
AAが判断を変える点 — 「秘密鍵の有無」から「署名権限の設計」へ
EOA(秘密鍵で直接操作する従来型アカウント)のウォレットでは、「誰が秘密鍵を持つか」を確認すればカストディ該当性の入口の整理はほぼ終わりました。ERC-4337のスマートアカウントは、この前提を変えます。アカウントの検証ロジック自体がプログラム可能になるため(ERC-4337仕様)、「アカウントを動かせる権限」が複数の鍵とモジュールに分解されるからです。2025年5月のPectraアップグレードで導入されたEIP-7702により、既存のEOAにコードを委任してスマートアカウント相当の機能を持たせる構成でも同じ論点が生じます(規格の詳細はEIP-7702の事業者向け解説)。
該当性の検討で確認すべきなのは、分解された個々の権限について「事業者(と委託先)の保有分だけで、ユーザー資産を移転する取引を作れるか」です。代表的な権限と、事業者が保有する場合に問うべきことを整理します。
| 権限の種類 | 典型的な役割 | 事業者が保有する場合に問うべきこと |
|---|---|---|
| Owner Key(オーナー鍵) | アカウントの最上位権限 | 単独で全資産を移転できるため、従来の秘密鍵保有と同じ検討になる |
| Session Key(セッション鍵) | 期限・対象・上限を絞った時限権限 | 対象コントラクト・関数・金額上限・期限の実際の設定値。制約が緩いほど「移転に足りる」評価へ近づく |
| Co-signer(共同署名鍵) | 2-of-2等の多重署名の一方 | 事業者と委託先の保有分を合わせて署名閾値に達するか。「単独では不可」でも「共同で可」なら整理が変わり得る |
| Validator差し替え権限 | 検証ロジックモジュールの追加・交換 | 検証ロジック自体を差し替えられる権限は、間接的に全権を取得できる経路になり得る |
| Guardian(復元承認者) | Social Recoveryでの所有者再設定 | 単独またはGuardian過半で新しいOwnerを設定できるなら、実質的な移転経路になり得る |
| アップグレード鍵 | プロキシ実装コントラクトの差し替え | 任意のロジックを注入できるため、Validator差し替えと同様の経路評価が必要 |
ここでの落とし穴は、通常の取引フローだけを見て「事業者は署名できないので非該当」と結論づけることです。Validatorの差し替え、リカバリーによるOwner再設定、プロキシのアップグレードといった権限変更の経路を経由すれば資産へ到達できる設計は珍しくありません。該当性の議論の土台として意味を持つのは、これらの間接経路まで含めた移転可能性の洗い出しであり、この洗い出しにはコントラクトの実装をレビューできる技術チームの関与が必要です。Guardian設計の詳細はSocial Recoveryの実装パターンで扱っています。
構成要素ごとの規制接点 — Account・Bundler・Paymaster
ERC-4337の構成は、資産が置かれるSmart Account、署名済みUserOperation(ユーザーの取引意図を表現するデータ形式)を束ねてチェーンへ送るBundler、ガス代の支払いを差し替えるPaymasterに分かれます(全体構造はERC-4337の事業者向け解説)。規制接点は層ごとに異なります。
| 層 | ユーザー資産との接点 | 主な論点 |
|---|---|---|
| Account | 資産が置かれる場所そのもの | 署名権限の設計がそのままカストディ該当性の検討対象になる |
| Bundler | 署名済みデータの中継のみ。鍵・資産に触れない | 売買・交換・管理のいずれにも直接は当たりにくい構成が多いが、公的ガイダンスは未整備 |
| Paymaster | ガス代の資金フローが発生 | Sponsor型は預かりが生じにくい。ERC-20型は電子決済手段・暗号資産の受領という別系統の論点 |
Account層は前章のとおり本丸です。事業者の権限構成が「移転に足りる」と評価されれば、暗号資産交換業の登録に加えて、利用者資産の分別管理、犯罪収益移転防止法上の取引時確認やトラベルルール(暗号資産の移転時に送付人・受取人情報を交換業者間で通知する義務。2023年6月施行の改正犯罪収益移転防止法で法定化され、現行の同法第10条の5「暗号資産の移転に係る通知義務」に規定)といった継続的な義務が伴います。登録の要否は、事業のコスト構造を根本から変える分岐です。
Bundler層は、署名済みのUserOperationを受け取って送信する中継役で、ユーザーの秘密鍵にも資産にも触れません。Bundlerを名指しで扱った公的ガイダンスは2026年8月時点で存在しませんが、技術構成として暗号資産の売買・交換にも管理にも直接該当しにくい形が多い、というのが設計側から言える範囲です。手数料の取り方(priority feeの利ざやなど)を含めた最終的な整理は、弁護士確認の対象として残しておくのが安全です。
Paymaster層は、3層で唯一まとまった資金フローが発生する層です。方式によって論点が分かれます。事業者の自己資金でガス代を負担するSponsor型は、ユーザーから資産を受け取らないため預かりの論点自体が生じにくい構成です。一方、ユーザーがUSDC等でガス代を支払うERC-20型は、ユーザーから暗号資産または電子決済手段(法定通貨建てステーブルコインの資金決済法上の区分)を受領して処理する流れになります。USDCは2025年3月に国内初の「電子決済手段等取引業者」登録を受けたSBI VCトレードを通じて国内取扱いが始まっており(SBIホールディングス、2025年3月4日)、電子決済手段としての交換・管理には暗号資産とは別系統の業規制があります。ERC-20型Paymasterを国内ユーザー向けに自社運営する場合は、この系統の該当性確認が必要です。ガス負担の事業設計はガスレストランザクションの経済性、ステーブルコイン規制の全体像はステーブルコイン規制の解説で扱っています。
海外SaaSを使う構成の確認論点 — 検討の出発点は自社のサービス設計
BundlerとPaymasterをPimlico、Alchemy等の海外SaaSに委ねる構成は、AA導入では標準的です。ここで設計側が前提に置くべきなのは、資金決済法の暗号資産交換業の定義が「〜を業として行うこと」という行為の単位で定められており(第2条第15項)、条文上、利用するインフラの所在地によって適用を除外する構造にはなっていないことです。したがって、日本の利用者に向けて自社がウォレット機能を提供する場合、バックエンドに海外SaaSを使っていても、該当性検討の出発点は自社の鍵・署名権限の構成と資金フローに置くのが安全な設計前提です。海外SaaSの利用形態が該当性の整理にどう影響するかは個別の契約・提供形態に依存するため、SaaSの権限保有の有無とあわせて弁護士確認の論点として文書化してください。
その上で、海外SaaS利用に固有の実務論点として、SaaS障害時のフォールバックを含む責任分界の契約整理と、取引データ・個人データの越境移転(個人情報保護法第28条)の確認が残ります。これらはカストディ該当性とは別の、契約・データ保護の系統の論点です。
2026〜2027年の制度移行 — 参照すべき法令自体が動いている
AAの規制論点を2026年に検討する場合、現行法の該当性だけでなく、制度全体が移行期にあることを前提に置く必要があります。時系列で整理します。
- 2020年5月:2019年改正資金決済法の施行。「他人のために暗号資産の管理」が交換業の対象行為に追加され、カストディ規制が始まりました。
- 2023年6月:改正犯罪収益移転防止法の施行により、交換業者間のトラベルルールが法定化されました(現行の犯罪収益移転防止法第10条の5)。
- 2024年10月:パスキー型アンホステッドウォレットについて、グレーゾーン解消制度で「暗号資産の管理」非該当の金融庁回答(前述のPassWallet事例)。
- 2025年6月:改正資金決済法が成立(6月6日)(参議院調査室資料)。
- 2026年6月1日:同改正の施行。資産を預からず売買・交換の媒介だけを行う事業者向けに「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」が新設されました(登録制。所属先の交換業者等から委託を受ける所属制で、資産を預からないため財務規制なし。金融庁)。交換業者の破綻時に資産の国外流出を防ぐ国内保有命令の制度も導入されています。
- 2026年7月15日:金商法・資金決済法の改正法が成立(金融庁 国会提出法案、日本経済新聞、2026年7月15日)。暗号資産の取引規制は資金決済法から金商法へ移管され、「暗号資産交換業者」は「暗号資産取引業者」へ改称、インサイダー取引規制の導入、無登録業者への罰則強化(10年以下の拘禁刑・1000万円以下の罰金への引き上げ)などが盛り込まれています(金融庁 法案説明資料、2026年4月)。施行日は原則、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日とされており(金融庁 法律案要綱)、本記事執筆時点で施行政令は公布されていないため、確定した施行期日はまだありません。
この移行期の実務への含意は3つあります。第一に、2026年8月時点の該当性判断は、現行の資金決済法と事務ガイドラインの基準で行うこと。金商法移管後の業規制の細目(下位法令・監督指針)はこれから整備されるため、現時点で移管後の解釈を先取りして断定することはできません。第二に、だからこそ「なぜこの設計は非該当と整理したか」を技術文書として残しておくこと。秘密鍵基準の解釈が移管後にどう引き継がれるかを確認する際、根拠が文書化されていれば再評価は差分確認で済みます。第三に、資産を預からず媒介に徹するモデルであれば、2026年6月に施行された仲介業という新しい登録区分が選択肢になり得ることです(所属先となる交換業者等が必要です)。
弁護士相談の前に — 技術側で文書化すべき項目と公式照会の選択肢
該当性の最終判断は弁護士の領域ですが、判断材料を作れるのは技術チームです。相談の質と速度は、次の5点がどこまで文書化されているかで決まります。
- 鍵・権限のインベントリ:誰が、どの権限(Owner Key・Session Key・Co-signer・Validator差し替え・Guardian・アップグレード鍵)を、どこに保管して保有するか(HSM=ハードウェアセキュリティモジュール、クラウドKMS、ユーザーデバイス、SaaS)。
- 各権限の到達範囲:その権限で、どのコントラクトのどの関数を、どんな条件(対象・金額上限・期限)で呼べるか。
- 移転可能性の評価:事業者と委託先の保有分だけで、ユーザー資産を移転する取引を作れるか。通常フローに加えて、権限変更・リカバリー・アップグレードの間接経路も含めます。
- 緊急時の挙動:鍵紛失時のリカバリー手順と、事業者がサービスを停止した場合にユーザーが自力で資産へ到達できる経路(escape hatch)の有無。
- 資金フロー:Paymasterの原資、ユーザーから受け取る資産の種類(暗号資産・電子決済手段・法定通貨)と、受領した資産が自社側に滞留するかどうか。
設計がガイドラインの類型に収まらない場合は、当局へ公式に確認する制度が2つあります。ひとつは前述のグレーゾーン解消制度で、事業所管省庁を経由して規制当局へ照会します(PassWalletの事例がこの経路です)。もうひとつは金融庁の法令適用事前確認手続(ノーアクションレター制度。金融庁)です。いずれも回答までに相応の期間を要し、照会書面の精度が結果を左右するため、弁護士と共同で準備するのが実務的です。その照会書面の技術記述の正確さは、上記5点の文書化の質にそのまま依存します。
FAQ
EIP-7702で既存のEOAにコードを委任する構成でも、カストディ業務になりますか
委任コードの提供だけでは該当しにくい構成です。EIP-7702の委任ではEOAの秘密鍵を引き続きユーザーが保有し、委任先コードを提供する事業者に、ユーザーの暗号資産を移転できる状態は生じないためです。ただし、委任先コントラクトに事業者の鍵で実行できる資産移転の関数が含まれる場合や、代理送信の周辺機能で別途権限を預かる場合は、ERC-4337のスマートアカウントと同じ「署名権限の設計」の検討に戻ります。EIP-7702を名指しした公的ガイダンスは2026年8月時点で存在しないため、委任コードの権限構成を文書化した上で個別に確認してください。
NFTだけを扱うウォレットでも暗号資産のカストディ規制の対象になりますか
決済手段等の経済的機能を持たないNFTは資金決済法上の「暗号資産」に該当しない、というのが金融庁の整理です(2023年3月24日の事務ガイドライン改正で各種トークンの暗号資産該当性の解釈が明確化されました。金融庁 改正告知・パブリックコメント結果。現行の判断基準は事務ガイドライン第三分冊16)。暗号資産に該当しないトークンだけを管理する場合、暗号資産のカストディ規制は適用されません。ただし、同じウォレットでETHやステーブルコインも扱うなら、その部分には該当性の検討が必要です。また、NFTの暗号資産該当性自体が決済利用の実態によって変わり得るため、ウォレットで扱うトークンの範囲を仕様として固定しておくことが、非該当整理の前提になります。
まとめ
- 現行基準では、事業者が「利用者の暗号資産を移転するのに足りる秘密鍵を保有し、主体的に移転を行い得る状態」にあるかどうかでカストディ該当性が判断されます。パスキー型アンホステッドウォレットには2024年10月の非該当回答という公式先例があります。
- AAでは判断対象が「秘密鍵の有無」から「署名権限の設計」に変わります。Session Keyの権限範囲、Validator差し替え、Guardian、アップグレード鍵といった間接経路まで含めた移転可能性の洗い出しが、法的検討の土台です。
- 層別では、Account層が該当性検討の本丸、Bundler層は資産に触れない中継役(ただし公的ガイダンス未整備)、Paymaster層はSponsor型かERC-20型かで論点が分かれ、ERC-20型は電子決済手段の規制系統に接続します。
- 海外SaaSを使う構成でも、該当性検討の出発点は自社の鍵・署名権限の構成と資金フローです。SaaS利用形態の影響は、弁護士確認の論点として文書化します。
- 2026〜2027年は資金決済法から金商法への移行期です。現行基準で判断しつつ、判断根拠を文書化しておくことが、移管後の再確認コストを下げます。
- 最終判断は弁護士等の専門家領域です。鍵・権限・資金フローの文書化と、グレーゾーン解消制度・ノーアクションレター制度という公式照会の選択肢が、並走の土台になります。
関連記事
前提となる技術の理解:
- アカウントアブストラクション(AA)完全マップ 2026 — AA全体の俯瞰と採用形態の判断軸
- ERC-4337の事業者向け解説 — EntryPoint・Bundler・Paymaster・Smart Accountの役割分担
- EIP-7702の事業者向け解説 — 既存EOAをスマート化する補完規格
本記事の論点の深掘り:
- MPC×AA — サーバー側シェアを持つ構成と鍵管理の設計
- Social Recoveryの実装パターン — Guardian設計と復元フローの詳細
- ガスレストランザクションの経済性 — Sponsor型・ERC-20型の費用と回収設計
- AAセキュリティリスク — 権限設計と攻撃ベクトルの技術的評価
- ステーブルコイン規制の解説 — 電子決済手段の制度全体像
XTELAが支援できる範囲
XTELAは弁護士事務所ではなく、規制該当性の判定や法務対応そのものは提供しません。支援できるのはその手前の技術側です。鍵・署名権限インベントリの作成、権限変更・リカバリー・アップグレード経路まで含めた移転可能性の技術評価、Sponsor型・ERC-20型を含むPaymaster構成の設計と資金フローの整理、そして弁護士や専門家が該当性を判断するための技術資料の作成支援まで、Web3サービスの設計・開発を支援しています。
主要参考資料
- 資金決済に関する法律(e-Gov法令検索、現行条文)
- 金融庁:事務ガイドライン第三分冊 16 暗号資産交換業者関係
- PwC Legal Japan News:暗号資産に係るカストディ業務該当性に関する照会への金融庁回答について(2024年10月28日)
- 経済産業省:グレーゾーン解消制度
- 金融庁:法令適用事前確認手続(ノーアクションレター制度)
- 金融庁:電子決済手段・暗号資産サービス仲介業を行うみなさまへ
- 参議院調査室:暗号資産をめぐる制度整備の経緯と論点(2025年10月)
- 金融審議会:暗号資産制度に関するワーキング・グループ報告(2025年12月10日)
- 金融庁:金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料(2026年4月)
- 金融庁:金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 要綱
- 金融庁:国会提出法案(成立状況)
- 犯罪による収益の移転防止に関する法律(e-Gov法令検索、現行条文)
- 金融庁:「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」の一部改正(案)の公表に対するパブリックコメントの結果等について(2023年3月24日)
- 日本経済新聞:仮想通貨を金商法で規制 改正法成立(2026年7月15日)
- SBIホールディングス:ステーブルコイン取扱いにかかる「電子決済手段等取引業者」登録完了のお知らせ(2025年3月4日)
- ERC-4337: Account Abstraction Using Alt Mempool
- EIP-7702: Set Code for EOAs
本記事の前提
本記事は2026年8月11日時点で確認した一次情報に基づく技術設計上の論点整理であり、法的助言ではありません。法令・ガイドライン・制度の内容や解釈は今後変わり得ます。特に暗号資産規制は金商法への移管を控えた移行期にあり、下位法令・監督指針は整備中です。個別のサービスがカストディ業務その他の規制に該当するかどうかの判断は、必ず弁護士等の有資格専門家に相談してください。